リトルバスターズ!感想 鈴ルート〜ラストまで

以前の感想で「今作の個別ルートはラストに向けての複線的な意味合いが強いのではないか?」ということを書きましたが、まさにその通りでした。あの世界の全ては理樹と鈴が成長するためにあり、個別ルートでバスターズの存在感が皆無だったのも、そうすることで自立を促していたということならば全て合点がいくわけです。
複線という意味で特に秀逸だったのは、小毬ルートでの「小毬さんには笑っていて欲しい」というくだりのやり取りををRefrainの小毬と鈴の別れのシーンで使ってきたところ。あのシーンは、読んでて唸らされました。素晴らしい。
リトバスが他のKey作品とちょっと違うと言われる所以はこの点にあるのではないでしょうか。露骨な泣き演出は控えめだけれども、構成が巧みで上手い。乱暴な言い方をすれば、鈴以外の個別ルートは全て前座なわけですから。ある意味非常にリスキーなことをやってのけたわけです。当然評価は割れるでしょうけど、個人的には全然あり。むしろ、好印象でした。
あえて不満点を挙げるならば、鈴と他キャラの絡みの少なさ。世界の中で理樹はみんなの悩みを解決することで、鈴はみんなと仲良くなることでそれぞれ成長していくということならば、個別ルートでも鈴はもっと前面に出てきて良かったのではないかなぁと。小毬とのシーンのような複線が他のキャラ全てとにも張り巡らされていれば間違いなく神作品となっていたでしょうが、それはさすがに無理か。
まぁでも、総じて良作だったと思います。個別ルートのときは不満たらたらでしたが、終わりよければ全てよしということで。