2006年こむちゃーとの分析(後編)

ここからは、年間チャート等を基にランキングを上位で盛り上げた曲について考察します。とりあえず、年間チャートのおさらいから。なお、番組ではトップ10のみの発表でしたが、考察の都合から同様の集計方法で20位まで算出したものを発表します。

順位 画像 曲名 アーティスト ポイント
1位 ヒカリ ヒカリ 堀江由衣 1630
2位 涼宮ハルヒの詰合 ?TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」劇中歌集シングル? God knows… 涼宮ハルヒ(平野綾) 1390
3位 童話迷宮 童話迷宮 田村ゆかり 1250
4位 SUPER GENERATION SUPER GENERATION 水樹奈々 1110
5位 明日のプリズム 明日のプリズム 平野綾 1060
6位 TVアニメ「舞-乙HiME」OP主題歌 Crystal Energy Crystal Energy 栗林みな実 1030
7位 今日からマ王 キャラクターソングシリーズ vol.1 渋谷有利 ビオライト 渋谷有利(櫻井孝宏) 940
8位 being being KOTOKO 870
9位 Love Power(初回限定盤)(DVD付) Love Power Aice5 840
10位 TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」ED主題歌 ハレ晴レユカイ ハレ晴レユカイ 平野綾茅原実里後藤邑子 840
11位 TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」OP主題歌 冒険でしょでしょ? 冒険でしょでしょ? 平野綾 830
12位 最高の片想い 最高の片想い タイナカサチ 830
13位 亡國覚醒カタルシス 亡國覚醒カタルシス ALI PROJECT 800
14位 TVアニメ「かしまし?ガール・ミーツ・ガール?」OP主題歌 恋するココロ 恋するココロ eufonius 760
15位 Peace of mind Peace of mind angela 690
16位 disillusion disillusion タイナカサチ 660
17位 「灼眼のシャナ」OPテーマ 緋色(ひしょく)の空(通常盤) 緋色の空 川田まみ 640
18位 勇侠青春謳 勇侠青春謳 ALI PROJECT 610
19位 PCゲーム「D.C.II ?ダ・カーポII?」OP主題歌 ダ・カーポII ?あさきゆめみし君と? ダ・カーポIIあさきゆめみし君と〜 yozuca 570
20位 無敵なsmile 無敵なsmile 高橋直純 560

上のランキングから次の3点の傾向が読み取れます。

  1. 上位進出アーティストの固定化
  2. 常連アーティスト間の格差(声優優位の傾向)
  3. 強力タイアップからのブレイクと、一発屋で終わらない持続力

以下、論点をこの3つに絞って詳しく述べていきます。

傾向1.上位進出アーティストの固定化

上位20曲の中で2005年までの年間トップ10にランクイン経験のあるアーティストは堀江由衣田村ゆかり水樹奈々栗林みな実KOTOKO、ALI PROJECT、angelayozuca*の8組。20曲中10曲は彼らの曲で占められていることになり、番組開始から4年以上が経過しタイアップに依らず支持を集めることのできる常連アーティストが増加してきたことの表れといえます。

傾向2.常連アーティスト間の格差(声優優位の傾向)

傾向1.で常連アーティストの存在について述べましたが、この常連同士の中にも優劣関係ができつつある、というのが論旨。上の表をよく眺めると、トップ10はほとんどが声優関連なのに対し11〜20位はほとんどが非声優アーティストであり、06年に限っては声優>その他アーティストという明確な構図ができあがっています。これまでも声優系が優位な状況は度々見られましたが、06年はその傾向がより一層強まった印象です。

傾向3.強力タイアップからのブレイクと、一発屋で終わらない持続力

ここでは常連とは逆のニューカマーについて。06年だと平野綾タイナカサチ川田まみらが該当しますが、彼らの共通項として浮かび上がってくるのは、アーティストの知名度に関わらず票の集まるほど強力なタイアップの存在。彼らのブレイクがハルヒFate、シャナといったタイアップ作品の人気に起因したものであることに疑問の余地はないでしょう。
それ自体は以前から見られた現象なのですが、06年で特徴的なのはブレイクしたアーティストが別のタイアップでリリースした楽曲でも好成績を収めているという点。これまでは一度ブレイクしてもその後別のタイアップでリリースした作品は全く奮わなかった、というケースがほとんどだったのですが、06年は必ずしもそうはならず。タイナカサチFateより明らかにタイアップ力で劣る最高の片想いでdisillusion以上の成績を残し、ハルヒでブレイクした後の平野綾はノンタイアップで年間ベスト5入りを果たしました。
このように、タイアップ効果でブレイクした作品で獲得した浮動票をアーティスト自身の固定票へと取り込んだアーティストが出現したのが06年の大きな特徴といえます。これは05年以前ではほとんどみられなかった傾向であり、この年だけの特異な現象なのか今後スタンダードとなるのかは現時点では判断がつきかねます。いずれにせよ、07年がどうなるのかは要注目です。

07年の展望

最後に、以上3点の傾向を基に07年のチャートアクションを占ってみます。

まず、「1.上位進出アーティストの固定化」ですがこれは間違いなく続くでしょう。というか、リクエスト番組という性質上、人気のあるアーティストがトップを取るのは当然と言えば当然の現象ですし。
次に、「2.常連アーティスト間の格差(声優優位の傾向)」ですが、これは微妙。というのは非声優アーティストはタイアップ次第では浮動票を取り込んで大化けする可能性があるんですよねぇ(06年の栗林みな実がまさにそうだったように)。声優>その他という構図自体は崩れないにしてもここまで極端な差は出ないような気もします。
最後に、「3.強力タイアップからのブレイクと、一発屋で終わらない持続力」について。前者は過去の事例からいっても確実にあるでしょうが、後者は前述したとおり全く読めません。こればっかりは実際に見てみないとなんとも・・・。

あとがき

前後編にわたってお送りしてきました2006年こむちゃーとの分析、いかがでしたでしょうか。ワタクシは疲れました。なんでこう、ダラダラ長文になってしまうんでしょうか。もっと簡潔にまとめたいんですが・・・。
しかも、まだ書き足りないと感じてたりもしまして、近いうちにおまけテキストを追記する予定です。タイトルは、2006年こむちゃーとの感想。分析じゃなくて感想。思ったことをダラダラ書くだけです。今よりダラダラグダグダとか想像するだけでも恐ろしいですが、興味のある方はもうちょびっとだけお付き合いいただけたらと思います。いじょ。