扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)作者: 石持浅海出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2005/05/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 48回この商品を含むブログ (268件) を見る

イマイチ。昨年のこのミス2位っていうから、もっとすごいのを期待してたんですが・・・。
以下、ネタバレ。
冒頭で犯人の犯行の描写があって、その後探偵役のヒロインにじわじわ追い詰められていく、というのが大まかな流れ。古畑任三郎をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
で、何が不満かというと、ストーリーに意外性が無いというか淡々と進みすぎるところ。本書の肝は「なぜ自殺(あるいは事故死)に見せかけたにもかかわらず、犯行現場を密室にしたのか?」という、いわゆるファイダニット的要素にあるのですが、ヒントがあからさまに置いてあるんですよ。文中にあれだけ時間を気にする描写があれば、密室にした目的が時間稼ぎにあることは明らかですし、不自然に強調されている臓規提供の記述と合わせて考えれば動機の大まかな見当もついちゃいますし。とにかく、ストレートすぎ。
まぁ、クローズドサークル系の新たなる試みという点では同意しますし、文章が読みやすいのも好印象ではありますが、表紙にある「長編本格推理」という煽りがそのまま当てはまるかというと疑問。