ふたたび赤い悪夢 (講談社文庫)作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/06/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (24件) を見る

「雪密室」や「頼子のために」のキャラクターが再登場するなど、今までにない試みがなされており、新鮮な感じがしました。てか、筆者は「雪密室」を書いてたときから、こういう形で有里奈の伏線を消化しようと決めてたんでしょうかね?もしそうなら、ヤバイですよ、この人。

話自体はいつもどおりといいますか。ロジカルではあるのですが、例によってネタを小出しにするので、ラストの迫力に欠けます。登場人物の相関図がドロドロすぎるんで、犯人とかトリックよりもむしろそっちのほうが印象に残りました。

今回は特に、主役の法月綸太郎が精神的に参ってる状態で物語が進むので、今まで以上に痛々しい作品になってます。今後は、彼の心の中の葛藤みたいなものもテーマになってくるんでしょうかねぇ?